声 か け マ ニュ ア ル for 視覚障害者
私たち視覚障害者は、「声かけ」してくださることを望んでいます。
視覚障害者に出会ったら、先ず声をかけていただければ私たちは安心します。
いろんな場面でのあなたの「声かけ」が私たちの大きな支えになります。
1.初対面の時
白杖を持ち独り困っているふうな人を街で見かけたら、「こんにちは、何かお手伝いしましょうか?」「どこへ行かれるのですか?案内しましょうか?」と思い切って「声かけ」してみてください。(できれば白杖を持つ反対側から)
その時もし 申し出を断られたとしても気を悪くしないでください。何かわけがあるのでしょう。その場所にとても慣れているとか、誰かを待っているとか。
2.面識のある時、会議の時
親しい人でも誰の声なのか、誰に話しかけているのか分からない場合があります。
「Aさんこんにちは、私はBです」と自分から名乗っていただけると助かります。その際,肩や手にそっと触れていただいてもよいと思います。
会議の際にも、まず名乗っていただければ 誰が話しているのか よくわかります。
3.一人で歩いている時
4.誘導する時
いきなり腕をつかんだり、身体をさわったりするのではなく、あなたの腕(ひじの上あたり)か肩をもたせてください。背を押されたり、白杖を引っ張られたりすると、私たちはとても不安になります。
5.そばを離れる時
そばを離れる時や、戻った時は教えてください。
黙って離れられると、私たちはまだそこにいるものと勘違いし、誰もいないのに あるいは 他人に話しかけてしまったり 恥ずかしい思いをします。また、反応が無いと不安は広がっていきます。
待っている時は、つかまるものがない空間に置き去りにされるととても不安なものです。
短時間であっても、通行の邪魔にならない固定された物のそばに誘導し、「ここが柱です」と白杖や手で触れさせてくださると安心します。
6.説明する時
身振りや手振り、「これ、それ、あれ」などの表現をされても分かりません。
例えば「あと5メートル先の右側に自転車が止めてあります」など、具体的に教えてください。
7.物の位置、段差、階段、エスカレーターなど
- 日頃 私たちが使っている物の位置を変える場合には 教えてください。
- 歩道などの段差では、「段差 上がります」、「下がります」と教えてください。
- 階段では、「昇り階段です」、「下りです」、「踊り場です」、「階段終わりです」と教えていただけると安心して歩くことができます。
- エスカレーターは、人によっては利用するのが怖い人もいます。先ず、利用するかどうかをお尋ねください。
8.トイレでは
外出先のトイレでは、中の様子が分かりません。
洋式か和式か、便座の向き、トイレットペーパーの位置や水を流すレバーの場所を教えてください。
異性の場合は、トイレの前に居合わせた同性の人に案内を頼んでください。
9.道路の横断
先ず、「向こう側にわたりますか?」と聞いていただけたらと思います。わたるつもりも無いのに、いきなり腕をつかまれ向こう側に連れて行かれ困ったりもします。
「信号は赤です。青になりましたよ」など教えてくださり また 肩や腕につかまらせてもらいながら、一緒にわたっていただけるとありがたいです。
(道路交通法では、視覚障害者が白杖を携えて歩行しているときは、車は一時停止や徐行し、通行を妨げないようにと定められています。)
10.電車やバスの乗り降りなど
- ホームと車両の隙間が広いようなとき、ひじなどに手をかけるようお申し出くださると助かります
- バスを一緒に乗り降りする場合、ステップが何段か教えてくださり、手すりをもたせてください。
- 目の前の席が空いていても分かりません。「席が空いていますが お座りになられますか?」と声をかけていただけるとありがたいです。
「ここが座席です、ここが背もたれです」と手を誘導して、座面や背もたれにさわらせてください。
11.事故につながりかねないとき
(例えば、駅のホームから転落。車や自転車と衝突)
危険を感じたら、迷わず呼びかけてください。「止まって!あぶない!」
事故につながる緊急時には、腕をつかんでもらってかまいません。
12.「白杖SOSシグナル」を見かけたら
(「白杖SOSシグナル」⇒ 白杖をまっすぐ上にかかげる)
@まず、すすんで声をかけてください。
A何に困っているのか、どのようにサポートして欲しいのかを お尋ねください。
Bもちろんサポートしていただければ とってもハッピーです。
NPO法人 尼視協((あましきょう) *[尼崎市視覚障害(者)協会]
(2023.10 改訂)
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